岬研究室

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なぜ法律事務所はポスティングをしないのか?

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どうして法律事務所はポスティングをしないのかについてのまとめ

1 調査のきっかけ 

 企業が営業を開始した場合,まずは企業の存在や,取り扱っている商品やサービスを知ってもらわなければなりません。そこで,開業時には,折込チラシを入れたり,ポスティング(※広告や宣伝を目的として,ビラやチラシをポストに直接投函する行為)をする等といった広告活動がよく行われます。

 でも,法律事務所の折込チラシは見たことがあっても,ポスティングは見たことがない気がしませんか?(うちのまわりだけ?もしかして都会だとやってるの?)

 というわけで,どうして法律事務所がポスティングをしないのかについて調べてみました。

2 日弁連の規定等ではどうなっているのか

広告の原則禁止

 まず,弁護士は,日弁連が定める規程等によって,基本的に営業活動を行うことが禁止されています。なので,弁護士が営業活動を行う場合には,これらの禁止行為にひっかかることのないように注意する必要があります。

 たとえば,飛び込み営業や電話営業については,「弁護士等の業務広告に関する規程」5条により原則禁止されていますし,電子メールによる広告(同右条2項)や,特定の事件(遺言作成や債務整理など,抽象的な事件類型ではなく,特定の航空機事故等のことであると解されています。)について,郵便等で依頼を勧誘する公告をすることも原則として禁止されています(同規程6条)。

ポスティングは?

 で,ポスティングについてはというと,業務広告規程にはそれらしきものがなかったのですが,これの解釈及び運用の指針を定めた業務広告指針の「第3 規程第3条の規定により規制される広告」の中に,「20 ダイレクトメール、新聞折込み広告及び戸別の投げ込み広告」という項目を発見しました。

 ポスティングは,この「戸別の投げ込み広告」ですね。で,この広告については,(1)において,「 ダイレクトメール、新聞折込み広告、戸別の投げ込み広告等を利用する場合においては、国民に対し、奇異な感情又は不快感を抱かせないよう格別に配慮するものとし、「広告お断り」とあるのに、その表示を無視して戸別の投げ込み広告を行うようなことは、プライバシー侵害とはいえない場合であっても、弁護士等の品位又は信用を損なうおそれがあるものとして、規程第3条第7号に違反するものとする。」と規定されています。

 ということで,ポスティングについても,折込チラシと同じで,見た人に不快感なんかを与えないように配慮すれば可能です。

 

では,なぜポスティングをしないのか?

 が,ポスティングに関しては,「広告お断り」とあるのにこれを無視して行うと,業務広告規程3条7号に違反することになってしまうというリスクがあります。

 通常,ポスティングは業者に依頼して行うわけですが,「広告お断り」とか表示しててもガンガン投函されてますよね・・・。ポスティング業者が「広告お断り」の場所に投函していないかいちいち確認するわけにもいかないし・・・自分たちで配りますか?

4 結局のところ

 というわけで,結論としては,法律事務所も,見た人に不快感等を与えないよう配慮すればポスティングを行うことは可能です!
 ただし,「広告お断り」のところに投函して規程3条7号に違反してしまうリスクを避けるためには,こういった広告規制を理解した弁護士や事務職員が自らポスティングをしなければなりません。
 となると,自らポスティングをやるくらいだったら,他の広告をやった方がコストパフォーマンスがいい。ということで,あまり行われていないのが実情なのではないでしょうか。

 単純に,法律事務所がポスティングするなんて思いついていないだけかもしれないけどね!   
                              以 上

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