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消費者契約法のH30改正(H30.7.02更新)

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消費者契約法の平成30年改正について

消費者契約法が改正されるよ 

 消費者契約法の改正法案が通過したという話を聞いたので,少し調べてみました。

 

 ざっくりとした改正内容としては,努力義務の拡張や,不利益事実の不告知の適用範囲の拡大(故意のみ→故意又は重過失),困惑類型の追加,無効類型の追加がなされるようで,より消費者の権利が保護されるような改正のようです。

 

困惑類型の追加 について

 しかし,この困惑類型の追加(4条3項3号・4号の新設)の部分については,

「当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、次に掲げる事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること。
  イ 進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項
  ロ 容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項」(新3号)

 

「当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。」(新4号)

 

 という条文の作りとなっており,社会生活上の経験が乏しいことから,「願望の実現に過大な不安を抱いて」いたり,「恋愛感情その他の好意の感情を抱き,・・・同様の感情を抱いているもの」と誤信していなければならないこととされています。

 なので,いずれについてもある程度の年齢以上になっていたり,以前にも似たような状況にあったことを理由として,「社会生活上の経験が乏しいとはいえない」との主張がされそうです。

 

 そうなった場合,3号については,「当該消費者は,これまでこういった状況になったことがないので,社会生活上の経験に乏しく,〇〇という願望の実現に過大な不安をいだいていたのです」という反論でなんとかなりそうな気がしますが,4号はどうしたらいいんでしょう・・・ 

 「原告は当時すでに32歳であり,社会生活上の経験に乏しいということはありえない」という主張に対し,「原告は,当時32歳であったものの,それまで女性と2人で食事に行ったことがなかったので,社会生活上の経験に乏しく,つい担当者に対して恋愛感情を抱き,かつ担当者も同様の感情を抱いているものと誤信してしまったのです」とか主張するんでしょうか。

 なんか2次被害っぽいので,4号については「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件を外してあげてほしいところですね。

 

(H30.7.2 追記)

平成30年6月15日には,平成30年法律第54号として公布されたみたいですね。

平成31年6月15日には施行されるとのことですので,事業者は注意が必要です。

 

参考リンク

消費者契約法の一部を改正する法律案:参議院

国会提出法案|消費者庁

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